bistro BARNYARD ginza

bistro BARNYARD ginza は世界中の生産者の熱い想いを「Farm to table」という形でお届けするレストランです。食材やワインを惜しみなく試食試飲できるテイスティングテーブルや、ウォークインセラーを中心にした銀座中央通を見下ろす空間で、新鮮なオーガニック食材にカリフォルニアテイストのアレンジを加えた心地よい料理と生産者ベースで揃えたワインを、各地からお招きする生産者たちと共にご提供いたします。皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

株式会社ファンゴー 代表取締役 CEO 関俊一郎氏インタビュー

bistro BARNYARD ginza、GRANNY SMITHはじめ、2018年6月現在都内に7業態13店舗を展開されている株式会社ファンゴーの関社長に、創業話から仕事をする上で大切にされていることまで、たくさんのお話を伺いました。

住所 〒104-0061
東京都中央区銀座1-8-19 キラリトギンザ 7F
TEL 03-6228-7400
HP http://barnyard.jp
E-mail ginza@barnyard.jp
営業時間 11:00〜23:00(定休日無し)


株式会社ファンゴー
代表取締役 CEO 関俊一郎氏インタビュー

2018年6月現在、都内で7業態13店舗を手がける株式会社ファンゴー。
・食と空間と仕事を通じて幸せを創造する
という使命の下、社長の感性やこだわりが隅々まで散りばめられた多様なコンセプトの店舗を展開されている。

現在中央区にあるのは、13店舗のうちの2店舗。
キラリト銀座7Fの”Farm to Table”をコンセプトにしたbistro BARNYARD ginza
東急プラザ銀座B1Fのおばあちゃんのアップルパイと淹れたてコーヒーのお店GRANNY SMITH 銀座店

代表取締役 CEOである関俊一郎さんに、ご創業のきっかけや会社の強み、仕事していく上で大切にしていること、そして中央区以外でも店舗経営をされているからこその視点でのお話も伺いました。

とてもスマートで分かりやすく噛み砕いて
お話してくださる関社長

◯創業についてお話をお聞かせください。
高校卒業後アメリカに留学しました。大学最後の年、帰国を決めて就職を考えた時に、実はStarbucksを日本に持って来ようとしました。1992年、まだ日本にスタバがなかったので。画策したのですが断られてしまい、諦めて、一旦日本の会社に就職することにしました。いつかは起業するという想いはあったので、会社員生活は、自分にとっての修行という位置付けで始めました。

就職して1年ちょっと過ぎた頃、6年程いたアメリカでの生活を懐かしむようになったんですね。毎朝大学の近くのカフェでデニッシュとラテ買って授業に行ったなぁとか、サンドイッチを毎日食べたなぁとか、そんなことを思い出していたところ、そういえば日本にはアメリカにあるようなサンドイッチ屋さんがないな。東京には、都会の喧騒から離れてゆったりできる場所もあんまりないな、そういう場所があればいいなと。そんなことを考えるようになり、じゃあ自分で作ろうと思い立ちました。

それから半年以上かけて物件を探して、三宿にオリジナルサンドイッチ&ハンバーガー専門店FUNGOをオープンしました。1995年のことです。翌年には、お誘いいただいた渋谷パルコに2号店を出店。さらにしばらくして3号店もオープンしたのですが、そこが思うようにいかず、同じようなタイミングで、トラブルに巻き込まれたり、渋谷パルコが改修に入ることになったりと困難が重なって、経営的には倒産寸前までの状態に陥りました。苦渋の選択でしたが、1号店以外の2店舗を閉店することにしました。

このまま終わりにするわけにはいかないと、2002年3月に西新宿に初めてのイタリアン・レストランを出店。結果的には、これが起死回生の一撃になりました。会社の運命がかかっていましたから、出店に当たっては、考えに考え尽くしました。どうやったら全体を見渡すことができるか、動線に無駄はないか、細部までこだわり考え抜いてデザインしたお店です。オープン後も、営業時間を延長するなど、小さな改善を繰り返しました。努力が功を奏したのか、どん底から這い上がっていくことができたのです。

◯苦しい時期を乗り越えられた秘訣はありますか?
一つはプライドとか、意地とか、気力とかそういうものだと思います。でも、それ以上に諦めるという選択肢がなかったのだと思います。そこでダメになればいろんな人に迷惑をかけるということですから。性格上、絶対に誰にも迷惑をかけたくない、自分が死んででも迷惑は掛けたくないという思いがありました。

◯現在には、中央区にはbistro BARNYARD ginzaとGRANNY SMITH銀座店の2店舗がありますが、出店のきっかけを教えてください。
いずれも商業施設からの出店依頼がきっかけです。bistro BARNYARDは東麻布のお店を移転させる形でオープンしました。既に世界的には主流であった“Farm to Table”をコンセプトにしたお店で、オーガニックで健康に良い物を、生産者を応援しつつテーブルにお届けしています。4年前、ちょうど人手不足が言われ始めた頃で、一からスタッフを集めるより、移転の方がいいという判断をしたんですね。銀座は、求人が難しい土地なんです。神田や虎ノ門や大手町といったオフィス街に比べたらまだいいのでしょうが、20歳代くらいの若い人たちにとって、自分たちが働くというイメージを持ちにくい街なんだと思います。ショッピングに行ったことはあっても、若い人たちの間で食事を銀座でしようという風にはなかなかなりません。同様に、日常的に働くという程身近な街ではないのだと思います。

◯会社の強みは何でしょうか。
会社のコンセプトに則って、基本や筋を曲げずにやっているということでしょうか。経営理念や思想を徹底して曲げず、私の感覚や意思決定の基準、人の育て方とか、「こうありたい」という考え方や声を従業員にきちんと伝えるようにしています。例えば、店舗数が一番多い「GRANNY SMITH」でもスーパーバイザーは置かず、本部の下に店長会を設け、店長たちと直接コミュニケーションを取るようにしています。

同じ日本語を話していても、店長一人一人、やはり違う言語を話すんですよ。例えば「これどうしたの?」と私が聞くと、「これは、こうだからこうなんです」とすぐに答える人もいれば、「ダメですか?」と聞き返してくる人もいる。怒られたと思って黙ってしまう人もいれば、「おや? うふふ」とかわそうとする人もいる。人それぞれなんですよ。ですので、何かを始める時は、早い段階から彼らを巻き込んで、一緒に決めて共通言語を増やしていっています。そして、とにかくコミュニケーションをたくさん取りますね。分からない人が問題なんじゃなくて、分かるように伝えないのが問題だと私は思っていますので。

他にも私の考えを従業員に知ってもらうためのツールとして、こういったカードを作っています。私が死んだとしても、同じ考えで、お店が続けていけるように。このカードには、クレドとスローガン、そして広げた内側には弊社の価値、使命、理念、社訓、行動指針が書かれています。配ったところで失くすだろうと思い、カードの表には各々の名前が書けるようにデザインしました。従業員にはこのカードをいつも身につけてもらうようお願いしています。頻繁に見て欲しいので、カードを系列店で提示すれば社員割引で10%OFFになるという仕組みも取り入れました。毎月集計して、一番社割を利用した従業員にはボーナスをあげるという制度も設けました。会社はやはり従業員にとって楽しい場所であって欲しいと願っていますので、そのためにはどうしたらいいかというのも常に考えています。

◯社長の強みは何でしょうか。
まず一つは体力があること。もう一つは、「こうありたい」とか「こうすべきだ」ということを常に考えていることです。お客様、従業員、ご近所の方、取引先の方、他にもいろんな方がいらっしゃいますが会社に関わる全ての人が輝いていないといけないと思うんです。GRANNY SMITHは6年で店舗が増えていますが、お客様や商業施設様からの出店要請があり、求められているから増えているんですね。言い換えると、他の業態は増えてはいないんです。業態もしくは商品は一人歩きするものです。それを作り出すのが経営者の一番の仕事だと思ってやっています。

新規出店の際は、コンセプトを固め、そこからブレないようにデザインしていきます。ただし、全て最初に決まるわけではありません。例えば、りんごの品種名でもあるGRANNY SMITHを店名にしたら、GRANNY SMITHを使っていないのにおかしいという突っ込みがありました。それならばと、農家さんと相談してGRANNY SMITHを植えることにし、今では材料の一部に使っています。その世界観から外れず面白ければ、後付けもどんどんしていきます。経験上、「こうしたら利益が出る」「こうしたら売れる」という発想ばかりに偏ると、結果として上手くいかないことが多いです。もちろん、自分の好きなことだけやっていたらエゴになりますし、従業員もいますので、利益を出す努力や工夫も当然します。ただそれが目的になったらいけないと思っています。それよりも、「こうありたい」ということに向かって、今までの経験や失敗の延長線上でミリ単位の修正を反映させていくようなことを繰り返している毎日です。

◯関社長が仕事をする上で大切にされていることはなんですか。
私が仕事をする上で大切にしていることで、従業員にも大切にしてもらいたい、共有してもらいたいと思っていることが、先ほどのカードに書いてあることです。

【VALUE(価値)】
私が居なくなっても同じ様に会社があり続けられるために、会社としての価値基準を決めました。一つ目はGLOBAL、世界中どこにあってもおかしくないという意味です。例えば、このお店、外国にもありそうな雰囲気ですよね。二つ目は、UNIVERSAL、普遍的という意味です。100年前にあっても100年後にあってもおかしくないお店。そして、三つ目は、FUN、楽しいことです。やはり、楽しいと思えなければ人間なかなか行動に繋がりませんからね。

【Mission(使命)】
私たちの使命は、食と空間と仕事を通じて幸せを創造することです。いろんな幸せがあると思いますが、幸せっていうのは勝手にやってくるものではなくて創っていくものなんです。

【Philosophy(理念)】
では、私たちは何を信じてやっていくのかというところですが、独創的であり本質の追求することです。必要に応じて、工夫して創っていきます。創る際には、これが売れているとか、みんなやっているからとかではなく、何がお客様の生活や行動を便利にさせるのかといった本質を考えます。

【Motto(社訓)】
これは、チームで働く上で何を大事にするかですね。まずはスピード。お店で「すみません」と呼んでも誰も来ないとか、お料理が出てくるのが遅いとイライラしますよね。お客様に対してスピード感を持って接するって非常に大切です。そして、目的をもつこと。作業としての仕事では意味がありません。今日は昨日よりもっといいオペレーションをするなど、日々目的を持たないと有意義な仕事はできません。そして、常に相手を思いやること。一緒に働く仲間、お客様、常に相手の気持ちや立場になって考えることですね。

【GUIDELINE(行動指針)】
最後に行動指針ですが、共有するShareに三単元のsを付けて「S・H・A・R・E・S」としています。アルファベットそれぞれにも意味を持たせました。
SはSMILEですね。私たちは接客業なのでやはり、笑顔が大切です。そして、HはHEARです。人の話を聞くことで学ぶことはたくさんあります。先日もクレーマーさんの話を3時間聞く場面があり、正直かなりしんどかったのですが、後から考えると言われていることの中には正しいこともあり学びがありました。Aは、ACTです。行動しないと何も分からないし、何も降ってきません。好きな人がいたら告白しないと何もリターンはありません。迷っている暇があるなら行動すべきです。RはREPORT、報告することですね。EはEDUCATE、教え育むということです。ただ教えただけではだめです。できるようになるまで育てるのがEDUCATEです。そして、最後のSはSOLVE、解決することです。「やだなー」「困ったなー」と放置してはいけません。おかしいなと思ったことがあれば思っているだけではなくて、行動して解決しましょうという意味です。

◯関社長の夢を教えてください。
自分のできることを精一杯すること。それと、GLOBALを掲げていますので、やはり世界展開をしていきたいですね。今すぐは無理ですけど。まぁ、でも無理っていっちゃ何も始まらないですからね!

インタビューを終えて
お話をしていて、関社長の研ぎ澄まされた感性が溢れるお店にもっと足を運んでみたくなりました。関わる人たちを輝かせるために、常に考え、先を読んで行動されている関社長。社長が今見ているのは、大きくなりつつある組織がこれから直面しそうな新たな課題。今まで断ってきたインタビューも最近では意識して受けるようにされているのは、社長の考えを少しでも多くの人に知ってもらいたいからとのことでした。この度はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

株式会社ファンゴー
住所:154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-18-11 スクエアフィールド1F
電話:03-3795-4443 事業内容:飲食店の経営、スイーツ専門店の経営
公式HP:http://www.fungo.com/