ジー・クリエーション(G゜creation)

G゜creation(ジー・クリエーション)は熊野化粧筆ブランド名です [2000年商標登録]

広島県安芸郡熊野町を訪ね、毛筆の職人に化粧筆を依頼。職人と共に原毛調達から全ての作業に関わり、試行錯誤の末、匠職人の技によって生産される化粧筆をアメリカを始め日本国内に販売し広め、熊野筆といえば毛筆であった時代から化粧品の付属でしかなった筆を「熊野化粧筆」へと導いた先代。2代目が先代の想いを託したのが高級筆 G゜creation2代目は中央区銀座にある映画会社、プロダクション、放送局ドラマ部勤務の経験から高級筆に特化することに着目し、1994年2月銀座で良質化粧筆のみを販売するショップG゜creation(ジー・クリエーション)を開店、後に商標を登録路面店からスタート、ショールームへと変化しつつ、メイクのプロ、女優俳優、モデルだけではなく、意識の高い愛用者の方々にリピート頂き、今年2018年で24年目になりました。

ジー・クリーエーションでは、化粧筆の企画、小売り卸販売、メンテナンス、筆使いやメイクアドバイスを承ります
自分の骨格に添う筆の形やその筆の動かし方、手入れ法をアドバイス、男性がギフトを選ぶにも気楽にご相談頂けます
販売するだけでなくその道具を大切に使い続ける一生モノの筆を提供するのがジー・クリーエーションの特徴
※ ジー・クリエーションが企画する筆は熊野の筆職人とのパートナーシップにより1本1本手作り致します

代表的なOEMとコラボレーション
* トヨタ自動車 LEXUS collection ’2014年~
(オファーによるプレゼンテーションにより選出)
* NHK放送記念品(プロポーザル公募により選出)
* 他、工業用消耗刷毛、メイクアップスクール教材、メイクアップアーチストオリジナルメイクブラシ

G゜creation代表・田口ゆかり氏インタビュー

「高級な熊野化粧筆を銀座で扱い続けたい」、「熊野化粧筆の技術・品質を絶やさないようにしたい」という思いを胸に、お客様一人一人と丁寧に真剣に向き合うG゜creation代表・田口ゆかりさんにお話を伺いました。

住所 〒104-0061
東京都中央区銀座1-15-13
VORT銀座レジデンス801
TEL 03-3567-0789
FAX 03-3567-0786
HP http://www.g-creation.jp
E-mail grif@g-creation.jp
営業時間 11:30~18:30


G゜creation代表・田口ゆかり氏インタビュー

『ジー・クリエーション(G゜creation)』は、広島県安芸郡熊野町で作られる高級化粧筆ブランド。1994年銀座3丁目の路面店からスタートし、2度の移転を経て、現在は銀座1丁目にショールームを構える。
・高級な熊野化粧筆を銀座で扱い続けたい
・熊野化粧筆の技術・品質を絶やさないようにしたい
を目標に掲げる代表の田口ゆかりさんは、お店に来たお客様がどの筆を持っているかすべて把握し、お客様一人一人と、丁寧に真剣に向き合うということを実践されている。

沢山のエピソードを語ってくださった田口ゆかり代表

田口代表に、熊野化粧筆の歴史、銀座で出店してからの24年間のエピソード、熊野化粧筆の技術を絶やさないために密かにされている活動等をお聞きしました。

◯ジー・クリエーション(G゜creation)の立ち上げの背景について教えて下さい。
少し話が長くなるのですが、4年前に亡くなった父の話に遡ります。まだ私が子供だった頃、商社勤務だった父は、西ドイツの性能のいい化粧ブラシと同等の製品を日本で作るというミッションを会社より言い渡されます。アメリカの大きな化粧品会社からの依頼だったそうです。筆といえば……父は教科書の知識を辿り、広島県安芸郡熊野町へ出向きました。ところが、自分たちは毛筆の筆しか作れないと、父はあっさり職人さん達に追い返されてしまったそうです。他を探したものの、やはりここしかないと思った父は熊野町を再度訪問。すると、職人さん達が「諦めの悪い奴、とりあえず酒でも飲ませて追い返そう」と思ったのか宴席を設けてくれたそうです。その席で、たまたま職人さん達の組合の重役と父が、少年飛行兵の先輩・後輩の関係にあたる事が分かりました。このご縁がきっかけで、父は話をちゃんと聞いてもらえるようになり、最終的には職人さん達を説得することができたそうです。化粧筆を作ると決まると、父は当時住んでいた大阪と広島を何度も行き来する生活が始まります。ただ発注するだけでなく、原毛の調達から職人さんと一緒に行い、協力して化粧筆の開発を進めました。製造管理をする中で職人さん達のことを誰よりも把握していた父は、1986年に独立し「田口製作所」を創設します。「G゜creation」の前身です。私は別の仕事をしながらも、父の依頼でプランナーとして化粧筆の企画を手伝うようになりました。それまでの仕事の経験から高級化粧筆に特化することに着目し、1991年にブランド「G゜creation」を立ち上げました。Gは、タグチがうまく発音できないアメリカ人達につけられた父の愛称「グッチ」から引用、つまり「タグチの創造」です。ブランドを立ち上げた翌年、父から経営を引き継ぎ社名も(有)グリフ・タグチに変更しました。

◯会社の代表になるまではどのようなお仕事をされていましたか。
東映で2年間のOL勤務の後、7〜8年プロダクションで俳優さんのマネージャー・プロデュース業をしていました。父の会社を手伝うようになった当初は、マネージャー時代のご縁で、NHKでドラマの企画書作成の仕事も平行して行っていました。

◯どうして銀座でお店を始めたのでしょうか。
化粧筆を作るなら高級な筆でないと意味がない。「高級な化粧筆」を売るなら銀座しかないとずっと思っていました。銀座であれば、その価値を認めてくれる人がいるに違いない。そう信じていました。そんな折、たまたま以前務めていた会社のご縁で、銀座3丁目の路面店に入らないかとお誘いをいただいたのです。東映のビルの1階のたった2坪のスペースです。この場所で本当に上手くいくだろうか、店舗の前に3時間立ち続け人の往来を観察しました。プランタン銀座のそばだったこともあり、確かにターゲットになりそうな人が結構な数通られたのです。ここならいけるかも知れない。半信半疑でアンテナ・ショップ「G゜creation」を開店しました。1994年のことです。肌に優しい高級なブラシだけを取り扱うお店。始めてみたら、これが大当たりでした。「眉メイクアドバイス」のサービスがヒットして、口コミが口コミを呼び、1年も経たないうちにアルバイト・スタッフを2名雇える程の状態になりました。2年のつもりが2度の更新を経てあっという間に6年。貸主の都合で3度目の更新はできず、銀座4丁目へ移転。翌年2000年に「G゚creation」を商標登録しました。路面店から形態は変わりましたが、6年間で築いたお客様との関係が続き、おかげさまで事業を継続してきています。

 

 

 

(1994年に銀座三丁目にオープンした路面店)

◯どのお客様が何を購入されたかをすべて把握されているとのことですが、どのようにされているのでしょうか。
当初からカルテを作っています。そもそも路面店は2年間限定でやる予定だったので、移転後もお客様と連絡が取れるようにお客様の情報を伺っては記録していました。「G゜creation」が扱っているのは、メンテナンスを続けることで一生使える筆です。買っていただいておしまいではなく、そこから長い関係が始まるのです。ご来店の度に持っているブラシを全てお持ちいただかなくても、家に何があるかこちらが把握できている。銀座でやるからには、それくらい密にお客様との信頼関係を築いた上で商売がしたいという思いがありました。今やお客様にとっては、たまに会う遠い親戚のおばちゃんみたいな存在に私がなっているような気がします。24年間もやっていると、化粧台に座るなり泣き出し失恋話をしたお客様から結婚や出産の報告が有ったり、新入社員だったお客様がすっかり昇進して、大切な会議前の勝負メイクにやって来たり……エピソードをあげるとキリがありません。最近ではカムバックするお客様も増えています。子育てで長年メイクから遠ざかっていた方から突然連絡が来たりなんてこともあるので、2回の移転で電話番号だけは24年間変更しないで正解だったと思います。

◯ジー・クリエーション(G゜creation)の強みといえば他にも何かありますか。
筆は本当に種類が多く、同じ用途でも使う人の骨格によって選ぶ筆を変えたりします。また同じ筆でもお客様によって別の使い方をすることもあります。メイクアップのプロも含め多くの方とお付き合いしているため、筆の使い方のバリエーションを相当把握していますので、お客様のご要望を細かく伺い、お客様の骨格にあわせて、その方にとってベストな筆をお選びすることができます。

◯今後、ジー・クリエーション(G゜creation)をどのようにして行きたいですか?
やはり銀座で続けていきたいです。ここで生まれる出会いを大切にして、人と人だったり、人と物や事だったりを上手く繋げて面白いことができたらいいなと常々考えています。創造するのが好きなんです。考えるのはただですから。考えてみてこれはいけるかも!というのは試してみて上手くいけばラッキーだし、失敗したら、また別の方法を考えてみようと。もう一つ、携わって半世紀、何としてでも熊野化粧筆を絶やしたくない。銀座にいるから出来ることがあると活動しています。実は今、原毛の確保に苦戦していまして。兎に角、原毛の価格高騰が半端ないのです。価格だけでなく希少性も高まっていて。うちは筆の価格を変えずにずっとやっていますが、仕入れの値段はどんどん上がっています。これをなんとか食い止めたい。そのために、新たな原毛入手ルートが確立できないか、原毛の処理技術を伝承する方法はないかと、国境を超えた仲間を集め画策中です。いつどんなご縁が生まれるか分からないので会う人会う人に「毛がないんだよね」と口に出して言うようにしていたら、あちこちからアイデアをいただけたりして。そうやって人とやりとりして新たな価値を生み出すという活動、まさに創造、クリエーションですけど、それ自体が本当に大好きなので続けていきたいです。

インタビューを終えて
銀座で24年間続けてきただけあり、バイタリティあふれるお人柄と実行力をお持ちのG゜creation代表の田口ゆかりさん。ご自身をお客様の遠い親戚のおばちゃんのような存在と表現されていましたが、お話をしていると同じ女性としてすっかりこちらがファンになってしまう程、懐が深く包容力がある方です。広島県安芸郡熊野町で化粧筆を作るようになったのは、初代のお父様のご尽力あってのこと。それだけに熊野化粧筆の技術を絶やしたくないとの思いもひとしおなのだと思います。この度はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

創業者であるお父様がお亡くなりになる半年前に撮影された動画がご覧になれます。
https://youtu.be/NOvwBYeiHoY